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ホテルの面接対策と回答ポイントまとめ

「あの素敵な時間を過ごさせてくれた、思い出のホテルで自分も働いてみたい!」 あなたも、そんな風に思った経験があるのではないでしょうか? ホテルというのは、旅行で利用するときはもちろん、出張などの仕事で利用するときも、心の安らぎを提供してくれる場所です。 ホテル側が提供してくれるホスピタリティと、利用の際のポジティブな感情が相まって、ホテル業界で働くことへの憧れは、多くの人が持っていることでしょう。

しかし、いざ実際にホテル業界で働くためには、就職試験をクリアし、採用される必要があり、そうでなければ、ホテルマンになる夢を叶えることはできません。 そして、その最大の壁となるのは、「面接試験」です。

そこで今回は、ホテル業界への転職を考えている方向けに、ホテル業の面接試験対策を徹底解説いたします。 ホテル業界の面接官の傾向、よく聞かれる質問から答え方を網羅的に解説し、試験の際に、面接官に特に見られているポイントや注意点もまとめました!

ホテル業界の面接官は、接客のプロ

まず、ホテルの接客業の採用試験において、どんな人が面接官を務めるのかというと、当然ホテルでの接客業務経験者になります。つまり、面接官はホテル業のプロフェッショナルであり、サービス業の最高峰と言われるホテルでの実務経験が豊富なため、高いコミュニケーション能力も持っています。実地にて、さまざまなお客様と実際に相対してきたため、意欲や熱量もしっかり見抜けます。そのため、杓子定規の例文暗記では、あなたの言葉が面接官の心に響くことはないでしょう。

面接でのコツは、相手は何を聞きたいのか、そして何を知りたいのかに集中し、それに答えることです。決して自分を飾って、大きく見せたり、華々しい成果を強調することではありません。面接官と協力して、お互いにとって素敵な時間になるよう、心がけてみましょう。これが接客・サービス業に求められる資質であると同時に、面接で求められることでもあるのです。

ホテル業界の面接でよくある質問

まず、ホテル業界の面接でよく聞かれる質問は、「志望動機」「転職理由」「経歴及び経験」「自己PR」、そして何か質問はありますかという「逆質問」の5つです。それぞれの質問は、以下で詳しく解説していきますが、当然これ以外の質問をされる場合もあるでしょう。しかしこれらの質問が、なぜよく聞かれるのかを考えてみると、明白になることが一つあります。

それは、これらの5つの質問が最も「核心」に近いということです。たとえば、直接志望動機を聞かなかったとしても、面接時に熱意が伝わってくれば、それは面接官にとって、志望動機がしっかりしているという立派な情報になります。

このように、これらは根幹をなしている質問であり、聞くことによって最も「核心」に迫れるからこそ、よく聞かれる質問なのです。しかし核であるということは、応募者側にとっては、これら5つを考えておけば、他の質問にも通ずる部分があり、対応出来るようになるということです。ですので、じっくりと時間をかけて考えておく価値がある質問であると言えるでしょう。

志望動機の回答ポイント

まず、ホテル業界に限らずですが、どこの企業でも必ず聞かれる「志望動機」について見ていきましょう。

志望動機において重要なことは、「なぜ」を突き詰めることです。

「なぜ、自分はホテル業界で働きたいのか」「なぜ、自分はこのホテルで働きたいのか」「なぜ、このホテルでなければダメなのか」そして自分側だけでなく、ホテル側は「なぜ、志望動機を聞くのか」を踏まえることも重要になってきます。面接や転職活動は相手あってのものですので、相手の立場にも立ち、解答を考えていかなければいけません。

なぜ、志望動機を聞くのか?

志望動機は、なぜ必須の質問かのように、どこの企業でも聞かれるのでしょうか?

それはまず、企業側が応募者の熱意を知りたいというのが挙げられます。サービス業は決して楽な仕事ではありません。ホテルには、さまざまなお客様がやってきて、そしてホテルマンは、基本的にお客様の要望にNOとは言えません。精神的な負荷が低くない職業と言えます。いろいろな試験を受け、合格し、「仕事を始めること」も大変ですが、「仕事を続けること」は、それ以上に大変なことです。それがホテルというサービス業であれば、尚のことです。ですので、面接官は応募者に、まず「この仕事に就きたい」という熱意があるか、そして同時に「この仕事を続けていける」熱意があるのかどうかを知るために、志望動機を聞くのです。

そしてもう一つの理由は、企業側が求めている人材と、応募者が求めている労働環境などのニーズが合っているかどうかという、マッチ度を測りたい意図があります。いくら高学歴で、企業側にとって魅力的な経験を積んできた人材だとしても、募集しているニーズに合っていなかったら、採用とはいきません。つまり、上記の「熱意」と「マッチ度」という企業側の質問の意図を理解した上で、回答を考えることが有効となってきます。「マッチ度」に関しては、ホテル側がどのような人材を求めているのか、が求人情報に提示されているはずですので、必ず求人情報に目を通した上で、回答を考えるようにしましょう。

「熱意」に関しては、さらなる詳細は後述しますが、前提として、気持ちが伝わるかどうかというのは、「取り繕った丁寧な言葉」よりも「心から出てくる自然な言葉」の方が伝わりやすいです。接客が好きだというあなたの気持ちを、なるべくそのまま伝えることを意識し、履歴書に書いた志望動機を丸暗記で伝えることなどは絶対に避けましょう。丸暗記はいけませんが、違いすぎるのもNGなので、履歴書の内容と一貫させながらも、自然な口語にすることを意識しましょう。

なぜ、ホテル業界なのか

志望動機を伝える上で、なぜサービス業の中でもホテル業界なのかを含めることは、とても重要です。接客業への思いだけでなく、ホテル業への思いも伝えることができれば、ホテル側にとっては、志望動機を聞く意図でもある「熱意」を知ることができるからです。面接官に「その理由であれば、他の接客業やサービス業でもいいだろう」と思われないように、留意しましょう。志望動機は、独自性があると高評価につながりやすいので、あなた自身が体験・経験したエピソードなどがあれば、積極的に活用しましょう。熱意を伝える上で、自分自身のエピソードを踏まえ、志望動機につなげることは非常に有効です。

他には、ホテルは接客業の最高峰であることや、宿泊客の対応だけでなく、電話応対・クレーム対応、時には観光案内などのコンシェルジュ的な役割も担わなければならないなど、あらゆる面で高い接客レベルが求められるホテル業という環境に身を置きたいことなど、ホテル業界でなければできないことや、ホテル業でなければいけない理由を、簡潔に伝えるよう意識しましょう。

なぜ、そのホテルなのか

なぜホテル業界なのかだけではなく、なぜそのホテルなのかという理由も、志望動機に必ず含めるようにしましょう。前述の、なぜホテル業なのかという問いと同じように、面接官に「それであれば、他のホテルでもいいではないか」と思われることは、間違いなく減点対象となりますので、そう思われることがないようにしなければいけません。ホテルと言っても、さまざまなホテルがあり、それぞれのホテルが独自のコンセプトを必ず持っています。

一番の売りにしているものは何なのか、どの年代・性別をターゲットにしているのか、現在特に力を入れている業務は何なのかなど、そのホテル独自の色をしっかり事前に調査し、「このホテルでなければいけない理由」と「このホテルしかやっていないこと」及び「このホテルが求めている人材」をマッチさせるようにします。そうすれば、企業側が知りたいことである「熱意」と「マッチ度」を同時に満たせることになるからです。転職活動は、応募者と採用者のニーズが合って初めて成立するもの。

「なぜ自分はホテル業で働きたいのか」という自己分析だけでなく、「なぜこのホテルは人材を募集しているのか」という企業分析も欠かさずに行い、相手に合わせた志望動機を考えていきましょう。

志望動機でモチベーションが上がる!

これまで見てきたように、志望動機は自分が志望する理由ではありますが、自分のことだけではなく、ホテルのことを考えることも欠かせません。志望するホテルのことを調べていくうちに、調べる前は知りもしなかったホテルの魅力や、ホテルで働くことの楽しさを知ることができるでしょう。

また、ホテルには接客業務と言っても、フロントだけでなく、コンシェルジュやベルボーイ・ドアマンなど、さまざまな職種があることも知れるはずです。大きなホテルほど職域が細かく分かれており、その分、その道に長けたプロフェッショナルがいます。接客業に興味を持っているあなたなら、間違いなくホテルの内情を知れば知るほど、ホテルで働きたい意欲が増していくはずです。

このように、志望動機を丁寧に考えることは、面接対策になるだけに留まらず、モチベーションのアップにもつながります。念入りに志望動機を考えることは絶対に無駄にはなりません。

しっかりと時間をかけて、練っていきましょう。

転職理由の回答ポイント

転職活動をしていて、面接の際に必ず聞かれるのが、この質問ですね。

転職理由を考える際の重要事項は、決してネガティブな退職理由を答えないこと、そのホテルで働いた場合の、自分の将来の可能性と一致させること、そして志望動機との食い違いを避けることです。

転職理由は、志望動機と同じく、採用のポイントにもなりますが、同時に不採用のポイントにもなりやすい質問事項です。しっかり考えた上で対策をし、面接官にプラスのポイントを与えられるように準備しましょう。

転職理由と退職理由を分けて考える

まず、転職理由を答える際に重要なことは、「転職理由」と「退職理由」をしっかり分けて考えることです。どう違うのかといえば、「退職理由」は前職での不満であり、「転職理由」は転職先での展望です。「退職理由」はたとえば、給与が低い、上司や同僚との人間関係でトラブルがあった、毎日同じことの繰り返しで嫌になったなどが挙げられるでしょう。転職活動というのは、現在の会社に満足している人がすることはなく、何かしらの不満を抱えているからこそするものです。「退職理由」は、その不満にフォーカスしたものであるので、当然ネガティブなものになりがちです。

一方、「転職理由」は、キャリアアップし年収を上げたい、新たな職場で心機一転働きたい、今までとは別の業種に挑戦してみたいなどが、例として挙げられます。退職理由と違い、転職理由は、「これから働くことになる職場で望んでいる労働環境」なので、ポジティブなものになります。面接官は「なぜ転職したいのですか?」と漠然と理由を聞いてくるかもしれませんが、前職での不平・不満を聞きたいわけではありません。

そして、あなたが転職活動をしている以上、今の会社で何かしら満足していない現状があることは、面接官も百も承知です。どんなネガティブな退職理由も、ポジティブな転職理由に変換ができます。「給与が低い」は「正当な評価を受けたい」に、「人間関係でトラブルがあった」は「もっと自分の力が発揮できる環境で仕事がしたい」のようなイメージです。まず、退職理由と転職理由を分けて考え、面接官には、あなたにとってネガティブな退職理由でなく、ポジティブな転職理由を答えるようにしましょう。

ホテルでの将来の可能性と一致させる

転職理由は、求人ホテルでの将来の可能性とシンクロさせることで説得力が高まります。たとえば、退職理由が「同じことの繰り返しの日々が嫌になったから、新しい仕事がしたい」だとします。すると転職理由は、「未経験の新たな業種で、自分の力を試したいから」や「接客業がしたいという気持ちが、どうしても抑えきれなかったから」のようになります。

「未経験の新たな業種で、自分の力を試したい」は、経験がないからこその新鮮さを持って仕事に臨み、経験者にはない視点でホテルの接客業に真摯に取り組み、自分の力を発揮できると思ったため、などと、そのホテルで働くことができた場合に、将来的に自分がどのようにホテルに貢献し、何を還元できるのかを踏まえた転職理由だと面接官も納得しやすいでしょう。

さらに、その前置きとして「ホテル業界で初めて電子予約システムやフリーダイヤルを導入するなど、新しい概念や取り組みをいち早くホテル業に取り込んだ御社で」などと、ホテルの特徴も盛り込めると尚良いです。

「接客業をしてみたいという気持ちが、どうしても抑えきれなかった」は、接客が好きなので、どんなお客様にも笑顔で対応できる、そしてどんなお客様に対しても「ありがとう」の一言のために努力できるホテルマンになれる自負があるため、などと、自分自身の強みや経験・人柄などを踏まえた、将来の可能性とシンクロさせることを、回答の際に意識するようにしましょう。

自分の志望動機との一貫性も大事

志望動機との一貫性を保つことも忘れてはいけないことの一つです。たとえば、「年収が低い」という退職理由で、「正当な評価を受けたい」という転職理由であれば、「厚生労働省の職業能力評価シートを、ホテル業界で早くに導入するなど、人事評価制度が整備されているから」という、そのホテルならではの志望動機と関連づけるようにしましょう。

そのホテルでのキャリアパスなどもチェックし、「将来的には、料飲サービス部のマネージャーを務めたいので、社員教育制度が整っている御社での就職を希望している」などと、自らの長期的な目標とつなげると、面接官にこのホテルで長期に渡って働いていくという印象も与えられます。意識することは、この例でいえば、「正当な評価を受けられていない」という転職理由の状態をどうしたらこの会社では実現できるのか、という視点で考えることです。

そうすれば、転職理由と志望動機に一貫性が生まれ、食い違うことが無くなります。「転職理由と志望動機の一貫性がない」というのは、採用見送りの際の理由として、転職活動経験者なら誰しも聞いたことのある言葉です。転職理由は、志望動機との一貫性に注意し、矛盾しないように気をつけましょう。

経歴や経験についての回答ポイント

転職活動者には、前職があるので、当然経歴や経験についても聞かれることになります。この質問において、大前提として忘れてはいけないのが、「お互いにとって素敵な時間にすること」です。

自画自賛の話はしていて気持ちがいいですが、それだけでは相手にとって素敵な時間にはなりません。しっかりお互いに良い時間となるように、最初に良い回答を作るためのステップを、そして次にこの質問の際の注意事項を挙げたので、留意してから回答の準備に取り掛かりましょう。

良い回答のためのステップ

面接官に好印象を与えるための最初のステップとして、自己分析や経験の棚卸しが役立ちます。もちろん接客業や宿泊業に就いた経験がなくても大丈夫です。業種にかかわらず、どんな仕事にも必ず目標があります。その目標を達成するために、どんなことを行い、どんな失敗をし、それを乗り越えるためにどんな工夫をし、どんな対策を行ってきたのか。単純な成果や実績ではなく、過程を見つめ直すことで、異業種にも活かせることは必ず出てきます。

第二のステップとして、そのホテルの業務内容やコンセプトをよく調べましょう。一言にホテルと言えど、実情は種々雑多です。出張のビジネスマンをターゲットにしているホテル、遠方から来る観光客をメインターゲットにしているホテル、余暇を過ごす富裕層をターゲットにしているホテル、バーをメインにして全面に打ち出し、バーの利用客をメインにサービス提供するコンセプトホテルなど、本当にさまざまです。また、ホテルでの接客業においても、ホテルごとに職域や業務内容が異なっていることが多いです。相手あっての転職活動において、やはり相手のことを知らずに飛び込んでいくのは、無謀以外の何物でもありません。そのようなことがないように、そのホテルが打ち出している特長や独自の色を、必ず事前に把握しておきましょう。

そして、最後のステップとして、自分、そして相手の特徴をしっかりと掴んだ上で、自分の強みや活かせる経験を見つけ出し、回答を準備しましょう。たとえば、たとえ接客業未経験であっても、「私は慎重な性格で、前職の事務職において、何度も念入りにチェックした」や「ミスを可能な限り無くすための工夫をしてきた」などの、自己分析を踏まえた上で、前職において工夫してきた経験や過程をまず打ち出しましょう。

そして、「予約管理など、ミスが許されない業務も含まれる、御社のホテルフロント業務において貢献することができると考えました」などと、そのホテル特有の業務体系を把握した上で、自分の強みがどう生かせるかを、具体的に述べましょう。

このように、経歴などの「過去」の経験だけでなく、実際にそのホテルで働いた場合に、どのような貢献ができるのかという、「未来」のことまで考えた上で回答を考えることが重要になります。

内容を絞って簡潔に

質問はあくまで「これまでのあなたの経験は?」ではなく「当社で活かせる、あなたの経験」です。

面接官は、何も自慢話を聞きたいわけではありません。それでは、ただの自己満足になってしまいます。この記事の最初でも書きましたが、接客業に必要とされる資質は「素敵な時間を共有すること」です。良い回答ができたと自分で思えることは幸福を感じられることですが、相手にとっても同じように感じてもらえなければ意味がありません。そのために、相手にとっても興味深い話にしなければなりません。「こんなことができた」や「こんなことが得意」など、面接官に伝えたい、知って欲しい、あなたの実績や強みはたくさんあるかもしれませんが、聞く側にとっては、多ければ多いほど良いというものでもありません。

自分の成し遂げてきた成果を全て披露するのではなく、相手のことを考え、回答する内容は、企業側にとってもメリットになる成果、そしてその過程から学んだことだけに絞りましょう。「相手の気持ちを考える」という接客業という視点に立つと、相手のことを考えずに話しすぎるのは、たとえそれが企業側にとって魅力的な話だったとしても、逆効果になってしまいます。相手のためにも、簡潔にそして端的に、内容を絞ることを意識しましょう。

自己PRの回答ポイント

自己PRは、ホテルに自分を売り込む絶好の機会です。そして、これも間違いなく聞かれることになる質問です。自分を採用してもらうために、面接官に評価されるような回答の準備が不可欠です。この絶好の機会をみすみす逃さないよう、自己PRの際の注意点や事前に調べておくべきことを把握し、ホテル業界ならではの注意点もしっかりと掴んで回答しましょう。

自己紹介と自己PRの違い

自己PRは自己紹介とは、決定的に異なります。企業にとって、採用するか否かの判断材料にもなる自己PRという貴重な時間を無駄にしないためにも、最初に自己紹介と自己PRの違いをしっかりと理解しましょう。

まず自己紹介は、あくまで自分の紹介ですので、名前や年齢・出身地、所属や経歴、趣味・特技などを述べるものです。イメージ的には、自分のことを広く浅く話すといった感じになります。

しかし、自己PRは、あくまで「プロモーション」です。採用する側の企業にとって、あなたは労働力を提供する商品ですので、あなたという商品を買ってもらうために、プロモーション、つまり自分を売り込まなければいけません。

そのため、広く浅くの自己紹介とは異なり、自己PRは自分の強みに焦点を当てて、ピンポイントで深掘りし、伝えていくイメージになります。あなたはどんな人間で、どんなことを得意としていて、あなたを採用すると、企業側にどのようなメリットがあるのか、どのような貢献ができるのかなどを押し出していくようにします。

そして目的はあくまで「売り込む」ことにあるので、やみくもに自分の長所だけを押し出せば良いというものでもありません。商品を売るときに消費者のニーズ調査をするのと同じように、労働力を需要している側である企業は、どんなニーズを持っているのかを知っておかなければなりません。

つまり、自己PRでも業務の理解度がチェックされるのです。自己紹介と自己PRの違い、そして自己PRの際の注意点をしっかり把握した上で、自分を売り出すようにしましょう。

具体的なエピソードで強みをアピール

自己PRにおいても、経歴や経験についての質問同様、盛り込みすぎは良くありません。あくまで狭く深くが鉄則ですので、自己分析で強みを掘り出し、次にそのホテルの業務内容やコンセプトを調べ上げたら、その二つを参照し、「自分はこの点で、このホテルに貢献できる」というポイントで、一点突破しましょう。盛り込める自分の長所や強みが少ない分、押し出すと決めた部分は、徹底的に深掘りし、伝えるようにします。

その際に、「明るい性格で、協調性があります」や「観察力があるのと、高いコミュニケーション能力に自信があります」などの抽象的で、ありきたりな言葉を並べていたのでは説得力に欠け、面接官には伝わりません。自己PRの場合、これらの言葉を使わずとも伝わるようなエピソードで伝えたほうが、信ぴょう性が増します。

そして、あなたは新卒採用ではなく、すでに社会人経験のある人材です。なので、前職において、どのような貢献をしたのか、どのような工夫をしたのか、あなただけの独自性のあるエピソードを入れるのがベターでしょう。押し出すポイントが少ない分、時間を全てそのポイントに費やし、強調するようにしましょう。

必要な能力は面接の中で見られている

面接では、面接官は何も、質問に対する回答の内容だけを見ているわけではないことも、心得ておきましょう。

人としての明るさ、相手の表情や仕草、そして言葉から何を求めているのかを感じ取る観察力、そして相手が聞きたいことを的確に把握し、それに対する回答を、端的に分かりやすく伝えるコミュニケーション能力、これらは実際にホテルの接客業務には必要な能力なので、面接のやり取りの中で、面接官は注意深く見ていますし、そして応募者側はこれらの能力を見せていく必要があります。

回答の内容ももちろん重要ですが、他の面も回答と同じくらいに重要視しているので、上手く答えられなかったからと言って、即不合格というわけではありません。決して内容だけに捉われることなく、冒頭にも書いた通り、面接の大前提であり、コツでもある「相手は何を聞きたいのか、そして何を知りたいのかに集中し、それに答えること」を忘れないようにしましょう。

「何か質問はありますか?」逆質問で何を聞く?

一通りの質疑応答を終え、最後に聞かれることがよくあるのが、この「逆質問」です。せっかくの最後のアピールチャンスですので、面接官に最後の一押しの好印象を与えられるよう、有効に活用しましょう。

好印象を与えられるポイントとしては、「配属先の社員の方の一日のスケジュールを教えてください」や「ホテルフロントは、そのホテルによって業務内容が違いますが、どの範囲までをホテルフロントが務めていますか?」などと、入社後の仕事内容を積極的に聞くことは、好印象につながりやすいです。

次に、「夜勤はどれぐらいありますか?」など、就業条件に疑問がある場合、クリアにしておくための質問もいいでしょう。残業や休暇については、仕事をしたくないんだなと悪印象を与える恐れもあるので、「前職では月に〇時間ほどの残業をしていましたが」などの前置きを、念のために入れておきましょう。

また、宿泊業や接客業に従事した経験がなければ、「入社までに、さらに勉強しておくべきことはありますか?」と、ホテルでの接客力向上に向けたアドバイスをもらうのも、好印象につながりやすいです。いくつか候補が浮かんだら、それがホームページやサイトに載っていないかを、必ずチェックしておきましょう。事前に調べられる範囲の質問であれば、企業研究の不足を自ら露呈することとなってしまい、逆効果となってしまいます。そして、複数の質問パターンを準備しておくようにします。

一つだけだと、もしその質問に対する回答が、面接の対話の中ですでに提示され、解決されてしまった場合に、聞く必要のない質問となってしまいます。逆に、面接の対話の中で疑問点が浮かんだのであれば、事前に用意した質問に捉われずに積極的に質問しましょう。

この、面接の中で生じた疑問を深掘りして聞くことが、もっとも自然な印象を与えます。最後に、この逆質問では無理に好印象を狙う必要はありません。無理やりに質問を作り出すと、面接官に必ず見抜かれます。あくまで、メインは質疑応答であり、逆質問ではないので、質問が無ければ、「特にありません」でも構いません。しかしその際は、「面接の中で解決したので、特にありません」などと、理由を添えておくといいでしょう。

ホテル業界の面接官は、あなたのここを見る

ホテル業は接客業ですので、面接官はあなたをホテルの一員として、お客様の前に出せるレベルなのかどうかを面接時に判断しています。髪型や服装などの見た目だけではなく、面接時の様子や態度、そして話し方から伝わってくる印象なども、重要な判断材料となります。自分にとっての「ホテルマンはこうあるべき」という主観的な意見だけではなく、友達や家族、周りの人に積極的に意見を求めるなどして、客観的な意見も取り入れるようにしましょう。

見た目や話し方からくる印象は、取ってつけたような付け焼き刃では改善は難しいので、日頃から意識して改善を図るようにしましょう。ホテルでは、元気いっぱい!というより、落ち着いた柔らかい印象のほうが好まれる傾向があります。

以下で、面接官が注意深く観察している主なポイントを見ていきましょう。

身だしなみ

ホテルマンとして、身だしなみは必ず見られることの一つです。ホテルでお客様がスタッフの身だしなみを見ているように、面接官も応募者の身だしなみを見ています。ホテルマンとしての最低限の身だしなみは心得てから、面接に臨みましょう。ホテルマンとしての身だしなみのキーワードは、「清潔感」と「万人受け」です。何か迷ったら、この二つのキーワードに立ち返り、そこから外れていないかどうかで判断するようにしましょう。

まず髪型は、「前髪が長く、目にかかっている」ことや「お辞儀をしたときに髪がパラパラと乱れる」ことはNGです。明るすぎる髪色も敬遠されます。ホテルによっては、暗めの茶色であれば許される場合もありますが、あくまで応募者は審査される側であるので、面接時は黒髪で行きましょう。男性であれば、黒髪に短髪、女性であれば、黒髪で、髪は結んでお団子にし、ネットに束ねるなどしておきましょう。

そして、男性は髭を剃り、女性は濃いめのメイクや強い香水は避けましょう。アクセサリーも基本的にNGですので、ピアスやイヤリング、指輪などはあらかじめ外し、汚れていたり清潔感の感じられない靴を履かないなど、ホテルマンとして足元まで気を使った身だしなみで整えましょう。

言葉遣い

ホテルマンは、言葉遣いも一流でなければなりません。正確で丁寧で、ハキハキと聞き取りやすく正しい敬語を用いて話すことは、面接を通じてチェックされているポイントです。

ですが、この点は完璧を目指すと、緊張も相まって、逆に変な言葉や敬語になってしまいがちで、それも避けたいところです。ただ面接官も、接客業の経験がないにもかかわらず、完璧な言葉遣いを求めるほど酷ではありませんし、その点は企業研修でも必ず学び直すところです。

ですので、敬語については、謙譲語と尊敬語の違いを理解し直し、間違った敬語を使わないよう意識するという基礎程度にとどめ、あくまで「相手の話をしっかり聞く」「目を見て笑顔で話す」など、最低限の会話の基本を押さえ、お互いにとって素敵な時間になるよう心がけましょう。

立ち振る舞い

あなたがホテルを利用したときに、フロントスタッフが挙動不審だったり、だらしがなかったりしたら、決していい気持ちはしないですし、「このホテルは大丈夫だろうか?」と不安に思ってしまいますよね。

そのため面接官は、あなたの面接時の座っている姿、話を聞く態度や話をする動作をつぶさに観察しています。歩く姿勢や挨拶の仕方などもホテルマンは見られるため、入退室の際も見られているという意識を捨ててはいけません。

具体的に言うと、立ち姿に関しては、猫背にならず、背筋を伸ばし胸を張り、手は指先まで伸ばし、両足はかかと一つ分空け、かかとを地面にしっかり付ける。座る際は、背筋を伸ばし、背もたれには寄りかからない。話す際は、自然な笑顔で目を見て、体は相手と正対する。歩く際は、肩を揺らさず、アゴを引き、かかとをひきずったり、大きな足音を立てないなどの点に留意しましょう。

説明力

ホテルの接客業務は、ホテル内の案内に始まり、客室内のミニバーやテレビの説明、併設レストランやチェックイン/アウトのご案内や諸注意事項、そして電話応対においても、さまざまな案内や説明を求められるなど、お客様に何かを伝えなければいけないシチュエーションに頻繁に遭遇します。

チェックイン時などは、一方的な説明になることが多く、マニュアルで説明する内容が決まっていることも多いですが、お客様に質問された場合は、双方向のやり取りになります。その際は、単に丁寧に接し、説明するというだけでなく、相手の話を聞き取る能力、そして自分の話を伝える能力が必須となります。

そのため、説明力はホテルマンにとって、とても重宝される能力ですので、面接官が面接試験全体を通して、注意深く見ている点です。

冒頭の面接のコツを思い出し、ホテルでお客様と接するのと同じように、相手は何を聞きたいのか、そして何を知りたいのかに集中し、それに答えることを意識するようにしましょう。

人あたりの良さ(雰囲気)

ホテルを利用した際に、スタッフが常に無愛想な表情をしていたり、落ち着きがなかったり、話しかけづらいオーラを感じたら嫌ですよね。安くないお金を払って、くつろぎに来ているのに、なぜ気を遣わなければならないのだろうと思い、そのホテルをもう一度利用しようとは思えなくなってしまうでしょう。

そのため、あなたが醸し出す雰囲気、人当たりを、面接官は注意深く見ています。ただ、面接試験の時にだけ人当たりを良く装うことは難しいでしょう。あなたの友人の中にも、何となく話しかけやすい人とそうでない人がいると思いますが、それは意識してやっていることではなく、その人自身の人間性から滲み出てくるものです。その場しのぎで人当たりの良さを出すことは難しいですが、常にそのことを意識して日々を過ごすことによって、人当たりの良いと思われる人間になることはできます。この人当たりの良さこそ、友達や家族など、周りの人に積極的に意見を求め、客観的な意見も取り入れ、日頃から意識して鍛錬していきましょう。

まとめ

ここまで、ホテルの接客業の面接対策を書いてきましたが、全てを通して言えることは、面接官の視点は常に、「あなたが、ホテルマンとして使えるかどうか」に向いている、ということです。

その視点で見ているからこそ、「本当にうちのホテルで働きたいか?」を知りたくて志望動機や転職理由を聞いてきますし、「どんな強みを持っていて、どんな貢献をしてくれるか?」が知りたくて経歴や経験、自己PRを尋ねてきます。さらに、「うちで働いてもらう際に、疑問は解消しておいてもらおう」と思うから逆質問をしますし、「ホテルマンとしての素養はあるか?」を判断するために、身だしなみや言葉遣い、人当たりの良さなどを観察しているのです。

つまり、ホテル業界への転職での面接は、接客実践です。そして、面接官は敵ではなく、未来の上司や仲間です。面接官と協力して、お互いにとって素敵な時間になるよう心がけ、夢のホテルマンへの切符を掴み取りましょう!

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