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ホテルのドアマンとは?仕事内容と役割を解説

ホテルの「ドアマン」という職業を聞いたことがある人は多いと思いますが、その業務内容や役割を理解している人は少ないのではないでしょうか。

ドアマンと聞くと、「お客様の入退館の際に、ドアの開け閉めをする人では?」と、その業務を単純に捉えている人もいますが、もちろんそんな単純な仕事でもなければ、簡単な仕事でもありません。

実は、ドアマンという職業は、提供するサービスが、お客様のホテルに対する印象を決定づけることもあるほどに重要で、重い責任のある職業なのです。

今回は、ドアマンとはどんな仕事なのか、具体的な業務内容ややりがい、大変さはどんなところにあるのか、必要とされる素養は何なのかなど、ドアマンの仕事内容や役割についてまとめました!

ホテルのドアマンとは?

「ホテルの顔」

この言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

多くの人は、受付でお客様対応をするフロントスタッフのことを思い浮かべたのではないでしょうか。

たしかにフロントスタッフも、そのサービスの仕方によっては、ホテル全体の印象を左右することもあり、その意味で「ホテルの顔」と言われるに相応しい職種です。

しかし本当の意味で、ホテルの第一印象に深く関与し、ホテルの印象を左右するのは「ドアマン」です。

それは、ホテルを利用するお客様と、物理的に最初に接するのが、ドアマンだからです。

ドアマンは「ドアの開閉を担当する簡単な仕事」と誤解されがちですが、担当している業務はドアの開け閉めという単純業務だけではありません。

お客様の出迎えや見送りはもちろん、ホテル内への案内、そしてお客様が利用された車の誘導やタクシー及びハイヤーの手配、周辺の警備も担当するなど、その業務内容は見た目ほどシンプルではありません。

簡単・シンプルに見えて、実は仕事は膨大で奥深い、それがドアマンという職業なのです。

ホテルのドアマンの仕事と役割

ドアマンは、ただドアの開閉をするだけの仕事ではないと言いましたが、では具体的には他にどのような仕事をしているのかを見ていきましょう。

ドアマンの仕事と役割を知れば、ドアマンという仕事の難しさや重要性を理解できるはずです。

お客様の出迎え、お見送り

ドアマンという職業の「ドア」は本来、ホテルのドアではなく、車のドアを意味すると言われています。

つまりドアマンは、ホテルのドアを開けるというよりも、車のドアを開けてお客様を出迎えるというのが、本来的な業務というわけです。

そしてお客様が帰る際も同じように、そのお客様が利用する車のドアを開けて、お客様をお見送りします。

文字どおり、ホテルにおいて最初と最後の接客を担うのは、ドアマンです。

そのため、ドアマンは他のどのスタッフよりも、常連のお客様の顔を覚えておかなければなりません。

フロントに行くまでという短い時間で、粋な接客や会話をするために、お客様の名前や仕事も覚えておかなければなりません。

すぐに「あのお客様が来られた」と認識するために、車種やナンバーも覚えておかなければなりません。

「お客様の顔と名前、仕事、車種やナンバーを記憶している数が多ければ多いほど、良いドアマン」と言われる所以は、ここにあります。

この、「お客様の出迎えとお見送り」は、ドアマンの最も基本的な業務となりますが、この基本業務だけでも、一朝一夕でできる簡単な仕事ではないのです。

ホテル内への案内

そしてお客様を出迎えた後は、ホテル内へと案内します。

その際に、お客様の手荷物の運搬はもちろん、ホテルのドアの開閉も担います。

そして、ホテル内のスタッフにお客様の来館を伝達し、後のチェックインや予約業務などは、フロントスタッフに引き継ぎます。

お客様を出迎え、手荷物の運搬をしながら、受付に案内し、フロントスタッフに引き継ぐ。

ここまでが、宿泊のためにお客様が来館された際の、ドアマンの基本業務となりますが、ホテルの利用客は、宿泊客だけではありません。

ウェディングや宴会、レストランを利用するために来られる方もいれば、大規模な会議のために利用される方もいます。

ホテルにおいて、フロントがあるロビーというのは最も混雑している場所であり、宴会やウェディング利用の団体客が来られた際は、その混雑がさらに激しくなります。

そしてそこで、お客様を待たせてしまったり、うまく対処できないと、混雑だけでなく、混乱に拍車がかかってしまいます。

来館理由に合わせて、お客様をスムーズに案内し、混雑や混乱を防ぐのはドアマンの役割であり、腕の見せ所です。

お客様が利用された車の誘導

最初に、お客様の出迎えとありますが、お客様はタクシーやハイヤーなどの送迎車で来館される場合と、お客様自身の車で来館される場合があります。

宴会やウェディング利用の団体客が来られた際は、ホテルの前の限られたスペースが、車で混雑してしまいます。

送迎車の誘導もしなければなりませんし、お客様が自家用車で来館された場合は、その車の駐車場までの誘導もドアマンの仕事の一つです。

ホテルに入る前に、お客様をイライラさせてしまったり、まごつかせてしまったりしたら、それだけでホテルの印象にキズが付いてしまいます。

ドアマンの勝負は、お客様がホテルに入る前、到着した瞬間から始まっているのです。

お客様が利用される車の手配

ホテルを利用し終えたお客様が乗車する車の手配も、ドアマンの仕事となります。

フロントが電話にて手配をしてくれることもありますが、会議など団体客の利用後は、タクシーの需要が一時的に、大幅に増します。

そのときはドアマンも無線タクシーを呼んだり、場合によっては道路を走っている流しのタクシーを呼んできたりして、お客様を可能な限り待たすことがないよう配慮します。

フロントが呼んでくれる場合も、連携が不可欠ですし、どのくらいの利用客がいて、どのくらいのタクシー需要がありそうかを事前に把握しておかなければならないなど、ここでも周りのスタッフとの連携は欠かせません。

お客様がホテルを利用し終えて、ホテルの外に出られても、ドアマンの仕事はお客様が車に乗車するまで終わりません。

最後の最後まで、お客様に快い気持ちでいて頂くために、ドアマンのサービスはとても重要なのです。

周辺の警備

ホテルのスタッフの中で、ホテルの外に常駐しているのはドアマンのみです。

そのため、ホテル周辺の警備もドアマンの仕事です。

ホテルというのは、テーマパークのように入場料を取る施設ではないので、基本的には「誰でも入れる」施設ではありますが、だからと言って「誰でも入っていい」施設というわけではありません。

不審者や利用者じゃない人をホテルに入れてしまうと、ホテルの安全性や快適さが失われてしまいます。

ホテルの利用者、もしくは利用予定者のみしか入館させず、ホテルを利用するお客様の心地良さと安心を確保するためにもドアマンは奔走するのです。

ドアマンの仕事の大変さ

ドアマンの仕事内容を深く知ると、決して簡単な仕事ではないということが理解できたのではないかと思います。

どんな仕事にも、その仕事ならではの大変さや苦労があるものですが、次に、ドアマンという仕事ならではの難しさにフォーカスを当てていきましょう。

気候や天候

まず、ドアマンの敵は空模様です。

ドアマンが常駐しているドアマンデスクは通常、ホテルの玄関外にあり、ドアマンはホテルスタッフで唯一、ホテルの外をサービス提供の主戦場にしている職種です。

雨であろうと、台風であろうと、雪であろうと、そして極寒の冬であろうと、猛暑の夏であろうと、立派な制服をしっかりと着こなし、姿勢良く笑顔でお客様を出迎えなければなりません。

暑いから、寒いからといって、倦怠感や疲労を顔に出すことは許されません。

そしてそれは、ホテルを利用するお客様に対しては当然ですが、ホテルを利用しないが、ホテルの前を歩いている通行人に対しても、同様の笑顔で接しなければなりません。

なぜなら、その日はホテルを利用するわけではなくても、その人は今度ホテルを利用する未来のお客様である可能性もありますし、何年か前にホテルを利用した過去のお客様かもしれません。

そうでなくとも、豪華絢爛な外観に、清潔なエントランス、そしていつも笑顔で清潔感のあるドアマンが玄関に立っていたら、「いつかはあのホテルを利用してみたい」と思う人が、多く現れることでしょう。

しかし天候や気候に気分を左右され、サービスが落ちてしまい、通行人の方にも「あのドアマン今日は疲れてるな」と思われるようでは、未来のお客様になってはくれないですよね。

天気がどんな様子であれ、そしてホテルのお客様か否かは関係なく、変わらぬ接客レベルを維持しなければならない。

ドアマンの仕事は、想像以上にハードであることが垣間見えるのではないかと思います。

人の見極め(お客様か、不審者か)

「メラビアンの法則」という言葉を聞いたことがありますか?

アメリカの心理学者が提唱した法則で、「第一印象は出会って数秒で決まる」ということと、「ヒトは、聴覚や言語よりも視覚から来る情報を優先させる」というものです。

あなたも、見た目でヒトを判断した経験が、幾度となくあるのではないでしょうか。

しかしドアマンに限っては、見た目でヒトを判断することはタブーです。

ドアマンの仕事の一つに、ホテル周辺の警備が含まれると書きましたが、ホテルの前に不審者が現れた場合、最初に対応するのはドアマンになります。

しかしここでドアマンは、重大な問題に直面することになります。

それは「お客様の可能性はないのか?」ということです。

見た目で不審者だという判断を下したとしても、やはりその方が、ホテルを利用するお客様である可能性もあります。

ホテルを利用するお客様に対して、不審者扱いをすることは、この上ない失礼になります。

しかし保安担当として、ホテルに不審者を入れてしまうこともまた、重大な問題となります。

どちらの可能性も捨てることなく、失礼のないよう、丁寧に堅実に対応せねばなりません。

ドアマンは、いかなる場合も、見た目のみでヒトを100%判断することは許されない。

これもドアマンの難しさの一つです。

臨機応変な対応

ドアマンを配置しているホテルというのは、客室数が多いなど、規模の大きなホテルである場合が多いです。

1,000を優に超す客室数を有しているホテルなどは、エントランスは想像以上に混雑する場所です。

ホテルの宿泊客だけでも対応するのが大変なのに、大規模ホテルはほとんどの場合、宴会場や会議室、結婚式場なども所有しています。

チェックイン、もしくはチェックアウト時の宿泊客で混雑する時間帯と、ウェディングや大規模な会議の終了時間などが重なってしまった場合、ホテルのエントランスが混雑することは、容易に想像できます。

しかしそんな場面で、お客様を必要以上に待たせたり、混乱を生じさせないために、ドアマンの対応力が問われます。

事前に予想していたよりもタクシーが必要になったら、自ら手配したり、場合によってはホテルの前を走っている流しのタクシーを捕まえたりするなど、臨機応変な対応力が求められます。

それでいて、どんなに忙しくても接客レベルを落とすことは、当然許されません。

不測の事態に臨機応変に対応しつつ、お客様には慌てる素振りや混乱を見せず、どのお客様にも公平な対応をする。

臨機応変な対応力はドアマンにとって、必須の素養なのです。

ドアマンはフロントの心強いバディ

ホテルスタッフは、細かく職域が分かれているので、どの職種でも他のスタッフとの連携が欠かせません。

それはドアマンも例外ではなく、さまざまなスタッフと連携を取り、スタッフ一丸でレベルの高い接客でおもてなしをして、お客様に喜んでいただく必要があります。

そしてドアマンと特に密な連携を必要とするのが、フロントスタッフです。

お客様の出迎え時には、フロントより早くお客様に接し、最初の接客サービスを行い、フロントに引き継ぐまでがドアマンの職務です。

そして見送り時には、今度はフロントから引き継がれ、最後の接客サービスを行い、お客様を見送ります。

そのため、ドアマンとフロントは、密接でスムーズな連携が必要不可欠です。

団体客のチェックアウト時のタクシー・ハイヤーの手配や、注意事項の伝達、お客様ごとに異なるきめ細かなサービスを実施するために、フロントとドアマンはお互いに頼み事をしたり、頼み事をされたりする相棒のような関係です。

ドアマンをやる上では、どのスタッフともそうですが、特にフロントスタッフとは、お互いへの信頼と、それを基にした連携がとても重要になるのです。

ホテルのドアマンにはどんな人が向いている?

常にホテルの玄関に立ち、その仕事内容も責任も大きく、名実ともに実質の「ホテルの顔」であるドアマン。

ホテルを利用するしないに関わらず、ドアマン次第で、お客様や通行人のホテルに対するイメージが変わるので、当然誰でもできるというわけではありません。

では「ドアマン向きの人」とは、いったいどんな素質を持った人物なのでしょうか?

次に、ドアマン向きの人物像を見ていきましょう。

身だしなみや雰囲気

ドアマンを配置しているホテルは、高級ホテルが多いです。

そのホテルの名前を、そしてブランドを落とさないためにも、身だしなみは大変重要です。

ユニフォームの着こなし、髪型、表情、歩き方、立ち姿、出迎え・見送りの際の身のこなしなど、お客様は見ていないようで、ドアマンの全てを見ています。

ですので、常に全てをお客様に見られているという意識で業務を行わなければなりません。

だらしない服装や整えられていない髪、無精髭が生えていて清潔感がないなどは、ドアマンとして当然受け入れられません。

ドアマンは見た目でお客様を判断することは許されませんが、お客様は見た目でホテルを判断します。

そのため、身だしなみには細心の注意を払う必要があります。

さらにホテルは接客業であり、サービス業です。

いくら身だしなみがしっかりしていても、声をかけづらかったり、威圧的だったりすれば、なんとなくホテルに入りづらいという印象をお客様に与えてしまいます。

そのため、身だしなみだけではなく、人当たりや雰囲気も重要になってきます。

ホテルの名前に相応しい風格がありながら、清潔感があり、柔和な雰囲気を醸し出している。

これが、ドアマンに求められる身だしなみと雰囲気です。

腰の低い丁寧な接客ができる

見た目だけ立派でも、中身が伴っていなければ意味がないですよね。

ドアマンが実際にお客様と直接接するのは、お客様がホテルに到着してからフロントに行くまでと、お帰りの際のフロントから玄関までと、時間にすればとても短いです。

しかし、お客様に最初に接するのと、最後に接するのがドアマンの役目なので、時間に比して、ドアマンの接客は非常に重要ですし、お客様からすれば、印象に残りやすくなります。

お客様にホテルで快適な時間を過ごして頂くために「これから非日常の時間が始まる」と最初に思わせ、「素敵な思い出ができたな」と帰るときに思ってもらえれば、ドアマンの責務は果たせたと言えるでしょう。

そのために、ドアマンは腰の低く、丁寧で気配りに満ちた接客ができる人物でなければなりません。

機転が利く

ホテルには、本当にさまざまなお客様がやってきます。

外国人観光客、国内遠方から宿泊客、出張利用の会社員、政治家や歌手などのVIPが来館する場合も当然あります。

そこで、さまざまなお客様に対して、十把一絡げにしたような単調なサービスをしていたのでは、一流のドアマンとは言えませんし、全ての人に全く同様のサービスを提供するならば、アルバイトやロボットで代替できてしまいます。

ですので、ドアマンはお客様に合わせた、きめの細やかなサービスができる人物でなければ務まりません。

仕事終わりのお客様と、観光に行かれたお客様では、対応が同じであるはずはないし、ホテルに数多くいる常連様には、その常連のお客様ごとに異なる、それぞれに合わせたおもてなしが必要です。

そして、混雑することの多いホテルエントランスという場所を主戦場にしている以上、どんな不測の事態にも対応できなければなりません。

お客様ごとにきめ細かいサービスができ、どのような事態にも機転の利いた対応ができる、そのような素質を持っている人間が、ドアマンに向いている人物だと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ドアマンという仕事を知る前と知った後では、ドアマンに対する印象が大きく変わったのではないでしょうか?

ドアマンという職業は、決して「ドアを開け閉めするだけ」の単純な職業ではなく、ホテルというサービス業の中で、決して欠くことのできない、そして時に、ホテル全体の印象をも左右することがあるほど重要な仕事です。

ドアマンという仕事は、お客様の出迎え・見送り、ホテル内への案内や車の誘導などを主な業務としていますが、お客様ごとに異なる対応が求められる以上、決して極められることのない、終わりのない職業であるとも言えます。

しかしその難しさと奥深さが、ドアマンという仕事の素晴らしさであり、魅力でもあるのです。

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